自動車整備 用語集
車の点検や整備の説明でよく使われる言葉をまとめました。点検の基本からエンジン、ブレーキ、足回り、電装系まで、分野ごとに用語を紹介します。
自動車の構造や点検項目、交換時期は車種・年式・使用状況によって異なります。ここでは用語の一般的な意味を説明しています。ブレーキや高電圧部品など安全に関わる作業は、車両の取扱説明書を確認し、専門知識を持つ整備事業者へご相談ください。
目次
点検・整備の基本
自動車整備
自動車の点検や修理、部品交換などを行い、安全性や機能を保つ作業です。作業内容は車種や不具合によって異なります。
日常点検
運転者などが日常的に行う、車の状態確認です。ブレーキ、タイヤ、灯火類など、車両の取扱説明書や公的な案内に沿って確認します。
定期点検整備
法令やメーカーの案内に基づき、定められた時期に車両の状態を点検し、必要な整備を行うことです。
車検(自動車検査)
自動車が保安基準に適合しているかを確認する検査です。車検に合格しても、その後の点検整備が不要になるわけではありません。
法定点検
道路運送車両法などに基づき、自動車の使用者が実施する点検です。車種や用途により点検時期・項目が異なります。
予防整備
故障や不具合が起こる前に、点検結果やメーカーの基準に基づいて部品交換などを行う整備です。
故障診断
症状や警告灯、診断機の情報などから、不具合の原因を調べる作業です。表示された故障コードだけで原因が確定するとは限りません。
整備記録簿
点検や整備の内容、交換部品などを記録する書類です。整備履歴の確認や次回点検の参考になります。
整備見積書
予定する作業、部品、工賃などの金額を示す書類です。作業範囲や追加作業が必要になった場合の連絡方法も確認します。
工賃
整備作業に対する料金です。作業時間や作業内容などを基に事業者が設定します。
標準作業時間
特定の整備作業に必要とされる標準的な時間の目安です。実際の作業時間や請求額と必ず一致するものではありません。
リコール
設計・製造上の問題などにより、自動車メーカーが改善措置を行う制度です。対象車両かどうかはメーカーや国土交通省の案内で確認できます。
エンジン・駆動系
エンジン
燃料などのエネルギーを動力に変える装置です。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドなど方式があります。
シリンダー
エンジン内でピストンが往復する筒状の部分です。
ピストン
シリンダー内を往復し、燃焼による圧力をクランクシャフトへ伝える部品です。
クランクシャフト
ピストンの往復運動を回転運動に変えるエンジン部品です。
カムシャフト
吸排気バルブの開閉タイミングを制御する軸です。
タイミングベルト/チェーン
クランクシャフトとカムシャフトの動きを連動させる部品です。交換要否や時期は車種ごとの整備情報を確認します。
エンジンオイル
エンジン内部の潤滑、冷却、清浄などに使われるオイルです。指定粘度や交換時期は車両ごとに異なります。
オイルエレメント(オイルフィルター)
エンジンオイル中の汚れをろ過する部品です。交換時期は車両や使用状況によって異なります。
冷却水(クーラント)
エンジンなどの冷却系統で熱を運ぶ液体です。指定品や点検方法は車種に従います。
ラジエーター
冷却水の熱を外気へ逃がす熱交換器です。冷却系統の一部を構成します。
エアクリーナー
エンジンに取り込む空気中のほこりなどを除去するフィルターです。
スパークプラグ
ガソリンエンジンで火花を発生させ、混合気に点火する部品です。
燃料噴射装置
燃料を適切な量でエンジンへ供給する装置です。方式はエンジンによって異なります。
ターボチャージャー
排気ガスの力でタービンを回し、圧縮した空気をエンジンへ送る過給機です。
トランスミッション
エンジンやモーターの動力を、走行状況に応じた回転数・力に変えて車輪へ伝える装置です。
AT(オートマチックトランスミッション)
変速操作を自動で行う変速機の総称です。構造はトルクコンバーター式、CVT、DCTなど複数あります。
CVT
Continuously Variable Transmissionの略で、変速比を連続的に変える無段変速機です。
クラッチ
エンジンなどの動力を変速機へつないだり切り離したりする機構です。
ドライブシャフト
変速機やデファレンシャルから車輪へ動力を伝える軸です。
デファレンシャル(デフ)
旋回時などに左右の駆動輪の回転差を調整しながら動力を伝える装置です。
ブレーキ・足回り・タイヤ
ブレーキ装置
車両の速度を落としたり停止させたりする装置です。異音や効きの変化がある場合は早めに整備工場へ相談します。
ブレーキパッド
ディスクブレーキで回転するディスクを挟み、摩擦で制動する部品です。
ブレーキディスク(ローター)
車輪と一緒に回転し、ブレーキパッドに挟まれて制動する円盤状の部品です。
ブレーキキャリパー
ブレーキパッドをディスクに押し付ける機構を持つ部品です。
ドラムブレーキ
ドラム内部のブレーキシューを押し広げ、内側に接触させて制動する方式です。
ブレーキシュー/ライニング
ドラムブレーキでドラムに接触し、摩擦力を生む部品や摩擦材です。
ブレーキ液(ブレーキフルード)
油圧式ブレーキの力を伝える液体です。吸湿などで性能が変化するため、交換時期はメーカーの指定を確認します。
ABS
急ブレーキ時などに車輪のロックを抑え、操舵性の維持を支援するアンチロック・ブレーキ・システムです。
ブレーキブースター
ブレーキペダルを踏む力を補助する装置です。方式は車両によって異なります。
サスペンション
路面からの衝撃を和らげ、タイヤを路面に接地させるためのばねやダンパーなどの装置です。
ショックアブソーバー
サスペンションの振動を抑える部品です。オイル漏れや乗り心地の変化が点検のきっかけになることがあります。
スプリング
車体を支え、路面からの衝撃を吸収する弾性部品です。コイルスプリングなどがあります。
ステアリング
ハンドル操作を車輪の向きに伝える操舵装置です。
アライメント
車輪の取り付け角度や向きの状態です。縁石への接触や部品交換後などに調整が必要になる場合があります。
タイヤ空気圧
タイヤ内部の空気の圧力です。適正値は車両の表示や取扱説明書で確認し、指定条件で点検します。
トレッド
タイヤが路面に接する外周部分、またはその表面の溝や模様を指します。
タイヤ溝(残溝)
タイヤの溝の深さです。摩耗状況の点検に用いられます。
ホイールバランス
タイヤとホイールの重量の偏りを補正する調整です。高速走行時の振動などに関係する場合があります。
ハブベアリング
車輪を滑らかに回転させ、車体に支持する軸受部品です。
電装・ハイブリッド・EV
バッテリー
電装品への電力供給やエンジン始動などに使う蓄電池です。電圧や種類、交換方法は車両によって異なります。
オルタネーター
エンジンの回転を利用して発電し、車両の電装品へ電気を供給したりバッテリーを充電したりする装置です。
スターターモーター
エンジン始動時にクランクシャフトを回す電動機です。
ヒューズ
電流が過大になったときに回路を遮断し、配線や機器を保護する部品です。交換時は指定容量を使用します。
ECU
Electronic Control Unitの略で、エンジンや車両機能を電子制御するコンピューターです。複数のECUを搭載する車両もあります。
OBD
車載故障診断システムの総称です。診断機を接続して、故障コードや車両情報を読み取ります。
故障コード(DTC)
車載診断システムが記録する不具合情報のコードです。コードは点検の手掛かりであり、原因特定には追加診断が必要です。
ハイブリッド車(HV)
エンジンと電気モーターなど、複数の動力源を組み合わせた車です。
高電圧バッテリー
ハイブリッド車や電気自動車などで駆動モーターへ電力を供給する高電圧の蓄電池です。整備には専門知識や安全措置が必要です。
電気自動車(EV)
主に電気モーターを動力として走行する自動車です。充電設備や駆動用バッテリーを備えます。
インバーター
直流電力と交流電力を変換する装置です。電動車ではモーター制御などに用いられます。
回生ブレーキ
減速時の運動エネルギーを電力として回収するブレーキ機能です。ハイブリッド車や電気自動車などで使われます。
警告灯
車両の異常や作動状態を運転者へ知らせる表示灯です。色や点灯条件に応じた対応は取扱説明書で確認します。
車体・消耗品・整備用語
エンジン警告灯
エンジン制御や排出ガス関連の異常を知らせる警告灯です。点灯・点滅時の対応は車両の説明書に従います。
冷却水漏れ
冷却系統から冷却水が漏れる状態です。水温上昇や警告灯がある場合は安全な場所に停車し、無理に走行せず相談します。
オイル漏れ
エンジンや変速機などから油脂類が漏れる状態です。漏れの場所や量により対応が異なります。
排気ガス
エンジンの燃焼後に排出されるガスです。排気系統や触媒などで処理されます。
触媒(キャタライザー)
排気ガス中の有害成分を化学反応で低減する装置です。
マフラー
排気音を低減する排気系統の部品です。排気漏れや損傷がある場合は点検が必要です。
ワイパーブレード
ウインドーガラスの雨水などを拭き取るゴム部品を含むワイパー部分です。拭きムラやビビりが交換の目安になることがあります。
エアコンフィルター
車内へ取り込む空気中のほこりなどを捕集するフィルターです。交換目安は車両や使用環境によります。
ブッシュ
サスペンションやエンジンマウントなどの接合部で振動や動きを受け止める弾性部品です。
ガスケット
部品の接合面の隙間を密封する部材です。分解整備時に交換が必要となる場合があります。
トルク
ボルトやナットを回す力の大きさです。締め付けには車種ごとの規定値と適切な工具が必要です。
締付トルク
ボルトやナットを締める際に指定される回転力です。部品や車両の整備要領に従います。
分解整備
原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置などを取り外して行う整備です。作業内容に応じた認証や資格の要件があります。
特定整備
自動運行装置や先進安全技術に関わる整備など、国の制度で定められた整備です。対象作業は制度や車両で異なります。
消耗品
使用や経年で摩耗・劣化し、交換が必要になる部品や油脂類の総称です。交換時期は車両の指定や点検結果で判断します。
純正部品
自動車メーカーが純正品として供給する部品です。
社外部品
自動車メーカー以外の事業者が製造・販売する部品の総称です。適合性や品質、保証条件を確認します。