1. 剣道の基本
剣道 Kendo
竹刀を使って相手と打ち合いながら、技術だけでなく礼儀や精神面も鍛える日本の武道。
日本を代表する武道剣術
日本刀などを使った実戦的な刀の技術。剣道は、こうした日本の剣術の流れを受け継いでいる。
道場
剣道の稽古をする場所。単なる練習場ではなく、礼儀や精神を学ぶ場所でもある。
稽古
剣道の練習のこと。技を覚えるだけでなく、体力や精神力も鍛える。
剣道具
剣道で使う防具や竹刀などの道具の総称。
剣道着
剣道で着る道着。一般的には上着と袴を着用する。
袴
剣道着の下に履く和装の衣服。剣道では主に馬乗り袴が使われる。
2. 防具
防具
打突から身体を守るために着用する道具。主に面・小手・胴・垂の4種類がある。
面
頭部や顔、喉などを守る防具。相手からの面打ちを受ける場所でもある。
面金
面の前面にある金属製の格子部分。顔や頭を守る役割がある。
面布団
面の左右から肩付近まで伸びている布製の部分。首や肩などを守る。
喉垂
喉の部分を守る面の一部。剣道では喉への打突もあるため重要。
小手
手や前腕を守る防具。小手打ちの打突部位でもある。
小手頭
小手の手を守る部分。打突ではこの部分を狙う。
胴
胸や腹部を守る防具。竹刀で胴を打つときの打突部位でもある。
垂
腰から太もも付近を守る防具。直接の打突部位ではない。
名札
垂につける名前や所属などを表示したもの。
3. 竹刀
竹刀 Shinai
剣道で使う竹製の刀。安全に打ち合えるように作られている。
剣道の主役竹
竹刀の主な材料。竹を組み合わせて一本の竹刀にする。
弦
竹刀の背中側に張られているひも。竹刀の構造を保つ役割がある。
柄
竹刀を握る部分。一般的には革などで覆われている。
柄頭
竹刀の柄の一番後ろの部分。
鍔
竹刀の柄の前に取り付ける円盤状の部品。手を守る役割がある。
鍔止め
鍔が動かないように固定するための部品。
物打
竹刀の先端付近にある、打突で特に重要になる部分。
剣先
竹刀の先端部分。相手との間合いを測ったり、相手を牽制したりする。
先革
竹刀の先端を覆っている革製の部分。
中結
竹刀の中ほどにある革ひも。竹刀の竹をまとめる役割がある。
4. 構え
構え
相手と向き合うときの基本姿勢。剣道では構えからすでに攻防が始まっている。
中段の構え
剣先を相手の喉や中心付近へ向ける、剣道で最も基本的な構え。
基本の構え上段の構え
竹刀を頭上に高く振り上げて構える形。攻撃力が高い一方、防御には工夫が必要。
下段の構え
竹刀の先を下げて構える形。相手の動きを誘ったりする目的で使われる。
八相の構え
竹刀を体の右側付近に立てるように構える形。古い剣術の構えにもつながる。
脇構え
竹刀を体の右側に隠すように構える形。剣先が相手から見えにくくなる。
自然体
無理に力を入れず、自然に安定した姿勢を保つこと。
左自然体
左足を後ろにした基本的な自然な立ち方。
5. 足さばき
足さばき
剣道で相手との距離を調整したり、技を出したりするための足の動かし方。
送り足
前後左右に移動するときの基本的な足さばき。片方の足を送るように動かす。
基本動作歩み足
普通の歩行に近い形で左右の足を交互に動かす足さばき。
継ぎ足
後ろの足を前の足に近づけてから前へ出るような足の使い方。
開き足
左右に体の向きを変えるときなどに使う足さばき。
踏み込み足
前へ大きく踏み込んで打突するときの足の動き。
左足
剣道では右足を前、左足を後ろに置くのが基本。左足の使い方が非常に重要。
右足
基本の構えでは前に出る足。踏み込みの中心になる。
6. 間合い
間合い
自分と相手との距離のこと。剣道では「どの距離で戦うか」が非常に重要。
距離=攻防の基本一足一刀の間合い
一歩踏み込めば相手を打てる、基本的な間合い。
遠間
相手との距離が比較的遠い状態。
近間
相手との距離が近い状態。
触刃の間
お互いの竹刀の先が触れ合うくらいの距離。
交刃の間
お互いの竹刀を交差させるような、より近い攻防の距離。
7. 打突部位
打突
竹刀で決められた部位を打ったり突いたりすること。
面
頭部の防具を打つこと。剣道を代表する基本的な打突。
小手
相手の小手部分を打つこと。相手の竹刀を操作する手元を狙う。
胴
相手の胴部分を打つこと。右胴や左胴などがある。
突き
竹刀の先端を使って相手の喉付近を狙う打突。
高度で危険性もある技右面
相手の右側の面を打つこと。
左面
相手の左側の面を打つこと。
右胴
相手の右側の胴を打つこと。
左胴
相手の左側の胴を打つこと。
8. 基本の打ち方
正面打ち
相手の面の中央をまっすぐ打つ、最も基本的な面打ち。
左右面打ち
相手の左右の面を打つ練習。連続した打突にも使われる。
小手打ち
相手の小手を狙って打つ技。面と並んで基本的な打突の一つ。
胴打ち
相手の胴を狙って打つ技。右胴を打つことが多い。
突き
竹刀を前へ伸ばして喉付近を狙う技。基本技の中でも特に注意が必要。
大きく振りかぶる
竹刀を大きく振り上げてから打つ方法。基本稽古などでよく行う。
振りかぶり
打突する前に竹刀を上へ振り上げる動作。
振り下ろし
振り上げた竹刀を相手の打突部位へ振り下ろす動作。
9. 技
出ばな技
相手が技を出そうと動き始めた瞬間を狙って打つ技。
相手の出ばなを狙う出ばな小手
相手が面などの技を出そうとした瞬間に、小手を打つ技。
出ばな面
相手が動き始めた瞬間に、そのまま面を打つ技。
応じ技
相手の打突に合わせて、防いだりかわしたりしながら反撃する技。
抜き技
相手の打突を体や竹刀でかわして、相手が外れたところを打つ技。
面抜き胴
相手の面をかわして、そのまま胴を打つ代表的な抜き技。
すり上げ技
相手の竹刀を自分の竹刀ですり上げるようにして防ぎ、その流れで打つ技。
面すり上げ面
相手の面打ちを竹刀ですり上げて防ぎ、そのまま面を打つ技。
返し技
相手の打突を受け流すようにして、自分の打突へつなげる技。
面返し胴
相手の面を受けて返し、そのまま胴を打つ技。
打ち落とし技
相手の竹刀を自分の竹刀で打ち落として、相手の体勢を崩してから打つ技。
10. 攻め
攻め
単に前へ出るだけではなく、相手の心や構えを崩して打てる状態を作ること。
剣道の重要ポイント中心
相手の正中線付近。竹刀で中心を取ることは攻防でとても重要。
中心を取る
相手の竹刀の中心線を自分の竹刀で押さえるようにして、有利な状態を作ること。
剣先
竹刀の先端。相手の中心を攻めたり、間合いを測ったりする。
気攻め
気迫や集中力によって相手を圧倒し、相手の隙を作ろうとすること。
攻め崩し
相手にプレッシャーをかけて、構えや精神状態に隙を作らせること。
誘い
わざと隙があるように見せたり動いたりして、相手に技を出させること。
11. 打突の質
気剣体一致
「気・剣・体」が一体となって打突すること。一本を取るための重要な考え方。
一本の重要条件気
気迫や精神力。相手に向かう強い気持ちを表す。
剣
竹刀による正確な打突を意味する。
体
体勢や足さばき、身体全体の動きを意味する。
残心
打突したあとも気を抜かず、相手に対応できる状態を保つこと。
打ったら終わりではない打突の冴え
竹刀の打ちが鋭く、力強く、しっかり決まっていること。
打突の強度
相手の打突部位を十分な強さで打っているかということ。
打突部位
面、小手、胴、突きなど、試合で有効な打突として認められる場所。
12. 気合
気合
打突するときに発する大きな声や、相手に向かう強い精神力。
掛け声
面なら「メン」、小手なら「コテ」など、打突と同時に発する声。
発声
打突の際に声を出すこと。気合を示すだけでなく、有効打突の重要な要素でもある。
気迫
相手に負けない強い気持ちや迫力。剣道では技術と同じくらい重要。
気位
相手に対して精神的に引かず、自分の気持ちを強く保つこと。
13. 試合
試合
決められたルールの中で、相手と打突を競うこと。
個人戦
一人の選手として相手と戦う試合形式。
団体戦
複数の選手がチームを組み、チーム同士で勝敗を競う形式。
先鋒
団体戦で最初に出場する選手。
次鋒
団体戦で2番目に出場する選手。
中堅
団体戦の中央に位置する選手。チームの流れを左右する重要な役割。
副将
団体戦で最後から2番目に出場する選手。
大将
団体戦で最後に出場する選手。チームの代表的な存在。
14. 勝敗・一本
一本
有効な打突として認められた最高の得点。原則として二本取った方が勝ち。
二本勝負一本勝ち
試合で規定本数の一本を先に取って勝つこと。
二本勝ち
相手より先に二本の有効打突を取って勝つこと。
一本先取
試合中に相手より先に一本を取ること。
有効打突
剣道のルール上、一本として認められる条件を満たした打突。
判定
試合時間内に規定の本数が決まらなかった場合などに、審判が勝敗を判断すること。
延長
規定時間内に勝敗が決まらなかった場合に追加で行う試合。
15. 審判
主審
試合を進行し、中心となって判定を行う審判。
副審
主審を補助し、有効打突などの判定を行う審判。
審判旗
審判が判定を示すために使う旗。赤と白の旗がある。
赤旗
赤の選手に一本を認めるときなどに審判が上げる旗。
白旗
白の選手に一本を認めるときなどに審判が上げる旗。
一本
審判が有効打突と判断したときに宣告される。
合議
審判同士で判定について相談すること。
16. 試合の掛け声
始め
主審が試合開始を知らせる合図。
止め
主審が試合を一時停止するときの合図。
勝負
試合再開などの際に使われる審判の合図。
分かれ
鍔ぜり合いなどで両選手を離れさせるための審判の合図。
やめ
試合を終了させるときなどに使われる合図。
17. 反則
反則
剣道のルールで禁止されている行為。反則を繰り返すと相手に一本が与えられる場合がある。
場外反則
試合場の外へ故意に出るなどして反則になること。
竹刀落とし
相手に竹刀を落とさせること。状況によって反則になる。
不正な竹刀操作
相手の竹刀を不正な方法で押さえたり、危険な扱いをしたりすること。
場外へ出る
試合場の境界線から外へ出ること。故意に出ると反則になる。
危険行為
相手に危険を与えるような行為。剣道では安全を損なう行為は認められない。
18. 鍔ぜり合い
鍔ぜり合い
お互いの鍔が近い位置で竹刀を押し合うような近距離の状態。
近距離の攻防鍔
竹刀の柄の前にある円盤状の部分。鍔ぜり合いではこの部分が重要になる。
分かれ
鍔ぜり合いが長く続いた場合などに、審判の合図で選手を離すこと。
接近戦
相手との距離が非常に近い状態で行う攻防。
19. 稽古の種類
素振り
相手を打たずに竹刀を振る練習。正しいフォームを身につけるための基本練習。
切り返し
面を打ったあと、左右面を連続して打つ基本稽古。体力と打突の基本を鍛える。
剣道の代表的な基本稽古打ち込み稽古
指導者などに対して、決められた技を繰り返し打ち込む稽古。
掛かり稽古
相手に対して休まず積極的に技を仕掛け続ける、負荷の高い稽古。
地稽古
試合に近い形で、お互いに自由に技を出し合う稽古。
互角稽古
実力が近い者同士で、互いに自由に攻防する稽古。
基本稽古
面、小手、胴、足さばきなど、基本となる動作を繰り返し練習すること。
20. 剣道の精神・理念
礼
相手や先生、道場などに敬意を示すこと。剣道では技術以上に大切な基本の一つ。
礼法
立礼や座礼、試合前後の作法など、剣道で守るべき礼儀作法。
残心
打突後も相手への警戒を解かず、次の攻撃に備える心構え。
不動心
相手に動揺させられても、落ち着いた精神状態を保つこと。
平常心
試合などで緊張していても、普段と同じように落ち着いて行動する心。
克己
自分の弱い心や欲望に負けず、自分自身を律すること。
文武両道
学問と武道の両方を大切にする考え方。
21. 昇段・段位
級
初級者の習熟度を表す段階。一般的に数字が小さくなるほど上位になる。
段位
剣道の習熟度を表すもの。初段から八段までがある。
初段
最初の段位。一般的に「黒帯」と呼ばれる段階にあたる。
二段
初段の次の段位。
三段
二段の次の段位。技術だけでなく、剣道への理解も求められる。
四段
高い技術と剣道への理解が必要になる段位。
五段
高い技術だけでなく、指導力なども重要になってくる段位。
六段
高度な技術と剣道に対する深い理解が求められる段位。
七段
非常に高いレベルの技術・精神性・指導力が求められる段位。
八段
剣道で取得できる非常に高い段位。取得が非常に難しいことで知られている。
最高位の段位22. 大会・団体
全日本剣道連盟
日本の剣道を統括する代表的な団体。略して「全剣連」と呼ばれる。
全剣連
「全日本剣道連盟」の略称。
世界剣道選手権大会
世界各国の代表選手が参加して剣道の世界一を争う大会。
全日本剣道選手権大会
日本一の剣道選手を決める代表的な大会。
全国高校総体
高校生の全国大会。剣道も競技種目の一つとして行われる。
玉竜旗
高校剣道の有名な大会。特に団体戦が知られている。
23. 剣道でよく聞く言葉
一本を取る
審判に有効打突として認められる打突を決めること。
一本を狙う
相手の隙を見つけて、有効打突になるような技を仕掛けること。
先を取る
相手より先に精神的・技術的に主導権を取ること。
先を取られる
相手に先に攻められて、自分が後手に回ってしまうこと。
中心を取る
相手の竹刀の中心線を押さえて、自分が攻撃しやすい状態を作ること。
相手を誘う
わざと相手が技を出したくなる状況を作り、その瞬間を狙うこと。
間合いを詰める
相手との距離を縮めて、自分の技が届く距離へ入ること。
間合いを切る
相手との距離を取って、相手の攻撃を届かなくすること。
攻め勝つ
技を出す前の攻防で相手を圧倒し、主導権を取ること。
打ち切る
途中で迷ったり止まったりせず、最後まで思い切って技を出し切ること。
24. ざっくり覚える剣道用語
竹刀
「剣道で使う竹製の刀」。
剣道の基本道具面
「頭や顔、喉などを守る防具」。
小手
「手や腕を守る防具」。
胴
「胸や腹を守る防具」。
垂
「腰や太もも付近を守る防具」。
構え
「相手と戦うときの基本姿勢」。
中段の構え
「剣先を相手の中心へ向ける、基本の構え」。
間合い
「自分と相手との距離」。
打突
「竹刀で面・小手・胴などを打ったり、突いたりすること」。
面打ち
「相手の面を打つ技」。
小手打ち
「相手の小手を打つ技」。
胴打ち
「相手の胴を打つ技」。
突き
「竹刀の先端で喉付近を狙う技」。
攻め
「相手にプレッシャーをかけて、隙を作らせること」。
中心
「相手の正中線付近。ここを取ると攻撃しやすい」。
出ばな技
「相手が技を出そうとした瞬間を狙う技」。
抜き技
「相手の攻撃をかわして、すぐ反撃する技」。
すり上げ技
「相手の竹刀を自分の竹刀ですり上げて防ぎ、そのまま打つ技」。
気剣体一致
「気合・竹刀・体の動きが一つになった打突」。
残心
「打ったあとも気を抜かず、相手に備えている状態」。
一本
「有効な打突として認められる得点」。
基本的に二本取ると勝ち鍔ぜり合い
「相手とかなり近い距離で竹刀を押し合うような状態」。
切り返し
「面を打ってから左右面を連続して打つ基本稽古」。
地稽古
「試合に近い形で自由に打ち合う稽古」。
気合
「大きな声と強い気持ちで相手に向かうこと」。
礼
「相手や先生、道場などに敬意を示すこと」。